新・古事記
#12
なぬ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
体重が。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
減らぬだと。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
おしっこ1000ccでたから大体1Kg減っているはず。なぜこんなことに。まずい。やばい。どうしよう。
「園さん。計測のお時間です」
刑務官が冷徹に言い放った。
「体重は**.*です。おや制限オーバーしてますね。先生に報告します。」
刑務官はにやにやしながら言う。
「いや、これは。。。」
園はしどろもどろになる。
「制限は守っていただかないと」
刑務官は嬉しそうだ。
どうしよう。。。やばい。。。泣きそう。。。死にたい。。。
。。。
ん、タバコの匂い。メビウスって言ったっけ?ママの匂い。園さん、いるのかな?
「やっほ、命」
「あ、やっほ」
「今日初デートしたい」
「。。。じゃあ2時間散歩コースだ。外出届出して。。。」
「ガイシュツトドケ???」
「この棟では一時間以内の散歩は帳面に。それ以上外出する場合は外出届を出さきゃならないんだ。」
「めんどくさい。。。」
「ルールはルールなんだ。ルールを守ればファインプレー、ルールを破ればブーイング(F**k)なんだよ」
「。。。わかった。ルール守る」
「どこ行きたい?」
「今日は第三公園かな?」
「。。。解った。。。」(やばい。。。)
「。。。」
「。。。」
「園さん。先生の診察です」
刑務官が嬉しそうに園を呼ぶ。
「あ、はい」
園は緊張した面持ちで診察室に向かう。その足は千鳥足だ。
「失礼します」
園の緊張は最高潮だ。
「体重制限オーバーしてますね。なにか飲みました?」
「いや。。。調整してる。。。つもりなんですが。。。」
「とにかく制限オーバーです。ルールは守っていただかないと」
「はあ」
「当分外出を禁止します」
「え。。。そんな。。。」
(やばい、タバコが。。。)
。。。
あっ。園が帰ってきた。
「園、何時に初デート行く?」
「あ、いや、その。。。」(あ、タバコ吸えなくてデートの事すっかり忘れてた)
「どうしたの?嬉しくないの?初デートなのに?」
「。。。あ、、、いや、、、その。。。デート行けなくなっちゃったんだ」
「え、どうして?初デートだよ?」
「。。。もう知らない。。。別れる!!!」
「え、そんな、ちょっと、待って、1週間だけ待って。必ずデートできるようにする。努力します」
「。。。わかった。。。じゃあ別れない。一週間後約束ね!!!」
(がんばらなきゃ)
「。。。」
「。。。」
。。。
文が席に座る。
「船さん。顔色悪いけど大丈夫?」
「ニコチンが切れたんだ。禁断症状」
「ニコチン?」
命はぽかんとしている。
「ニコチンはタバコに入ってる成分で、気分が上がっているときに落ち着かせ、下がっているときに気分を揚げる作用があるんだ」
「ふーん」
「そうなのね。道理でタバコやめられないはずだ。グローだけどね」
「加熱式たばこは歴史が浅く、体への影響がまだわかってない。紙巻きたばこは煙で肺からニコチンが吸収されるんだけど、加熱式たばこは水蒸気だからどう体に吸収されるか分かってない。紙巻きたばこのが安全な可能性もあるよ」
「へーそうなんだ」
「???」(この人たちどこの日本語使ってるの?)
「実は外出禁止されちゃったんだ。タバコ吸えない。。。」
「え、船さん。タバコ吸わずにどうやって生きてくの?」
「かわいそう。。。」
「未知の領域だ。発狂するかも」
「えっ、園狂っちゃうの?」
「そうならないように頑張るよ」
「。。。」
「。。。」
「。。。」
こうして園の地獄の2週間が始まった。それはまた別の話で。