新・古事記

2024-01-25 01:51:00

#12

なぬ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

体重が。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

減らぬだと。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

おしっこ1000ccでたから大体1Kg減っているはず。なぜこんなことに。まずい。やばい。どうしよう。

「園さん。計測のお時間です」

刑務官が冷徹に言い放った。

「体重は**.*です。おや制限オーバーしてますね。先生に報告します。」

刑務官はにやにやしながら言う。

「いや、これは。。。」

園はしどろもどろになる。

「制限は守っていただかないと」

刑務官は嬉しそうだ。

どうしよう。。。やばい。。。泣きそう。。。死にたい。。。

 

。。。

ん、タバコの匂い。メビウスって言ったっけ?ママの匂い。園さん、いるのかな?

「やっほ、命」

「あ、やっほ」

「今日初デートしたい」

「。。。じゃあ2時間散歩コースだ。外出届出して。。。」

「ガイシュツトドケ???」

「この棟では一時間以内の散歩は帳面に。それ以上外出する場合は外出届を出さきゃならないんだ。」

「めんどくさい。。。」

「ルールはルールなんだ。ルールを守ればファインプレー、ルールを破ればブーイング(F**k)なんだよ」

「。。。わかった。ルール守る」

「どこ行きたい?」

「今日は第三公園かな?」

「。。。解った。。。」(やばい。。。)

「。。。」

「。。。」

 

「園さん。先生の診察です」

刑務官が嬉しそうに園を呼ぶ。

「あ、はい」

園は緊張した面持ちで診察室に向かう。その足は千鳥足だ。

「失礼します」

園の緊張は最高潮だ。

「体重制限オーバーしてますね。なにか飲みました?」

「いや。。。調整してる。。。つもりなんですが。。。」

「とにかく制限オーバーです。ルールは守っていただかないと」

「はあ」

「当分外出を禁止します」

「え。。。そんな。。。」

(やばい、タバコが。。。)

 

。。。

あっ。園が帰ってきた。

「園、何時に初デート行く?」

「あ、いや、その。。。」(あ、タバコ吸えなくてデートの事すっかり忘れてた)

「どうしたの?嬉しくないの?初デートなのに?」

「。。。あ、、、いや、、、その。。。デート行けなくなっちゃったんだ」

「え、どうして?初デートだよ?」

「。。。もう知らない。。。別れる!!!」

「え、そんな、ちょっと、待って、1週間だけ待って。必ずデートできるようにする。努力します」

「。。。わかった。。。じゃあ別れない。一週間後約束ね!!!」

(がんばらなきゃ)

「。。。」

「。。。」

 

。。。

文が席に座る。

「船さん。顔色悪いけど大丈夫?」

「ニコチンが切れたんだ。禁断症状」

「ニコチン?」

命はぽかんとしている。

「ニコチンはタバコに入ってる成分で、気分が上がっているときに落ち着かせ、下がっているときに気分を揚げる作用があるんだ」

「ふーん」

「そうなのね。道理でタバコやめられないはずだ。グローだけどね」

「加熱式たばこは歴史が浅く、体への影響がまだわかってない。紙巻きたばこは煙で肺からニコチンが吸収されるんだけど、加熱式たばこは水蒸気だからどう体に吸収されるか分かってない。紙巻きたばこのが安全な可能性もあるよ」

「へーそうなんだ」

「???」(この人たちどこの日本語使ってるの?)

「実は外出禁止されちゃったんだ。タバコ吸えない。。。」

「え、船さん。タバコ吸わずにどうやって生きてくの?」

「かわいそう。。。」

「未知の領域だ。発狂するかも」

「えっ、園狂っちゃうの?」

「そうならないように頑張るよ」

「。。。」

「。。。」

「。。。」

 

こうして園の地獄の2週間が始まった。それはまた別の話で。